2023年ごろ、外出や買い物の仕方について、多くの人がそれぞれの判断を迫られていた時期があった。私も、特に強制されたわけではないが、自分の判断で人と接する機会を減らし、できるだけ家に籠もる生活を選んでいた。
自粛期間と生活の変化
家にいる時間が長くなると、食べ物との付き合い方が変わる。
中でもパンは、その変化を強く意識した食品の一つだった。
袋入りのパンを選ぶようになった理由
買い物に行く回数を減らすため、袋に入った菓子パンをまとめて買ってくることが多くなった。
保存は冷蔵庫。食べるときには、袋の中身にできるだけ触らないようにした。
袋からつまみ出すと、それまで清潔に保たれていたものが、一気に清潔でも何でもなくなってしまう気がしたからだ。
面倒なようでいて、実際にはこのやり方は楽だった。
手を洗う回数を減らすことができたし、触らない前提で動作を考えると、余計なことをしなくて済んだ。
賞味期限が過ぎたパンもあった。
見た目には特に変化はなく、悪くなっているようには見えない。
「何か入っているのだろう」と思うと、少し気持ちが悪い。
それでも、食べた。
何日も見た目が変わらない食べ物が、体に良いとは思っていない。
ただ、秋が過ぎ、冬になっても、体に問題は起きなかった。
これからは、少しぐらい賞味期限が過ぎたものを我慢して食べる場面も増えるのだろう。
人混みを避け、買い物に行く回数を減らすには、仕方がないとも思っていた。
とはいえ、気持ちの悪さを感じる食べ物ばかりになるのは、良くない。
だから、野菜ぐらいは「これなら信用できる」と思える無農薬のものを取り寄せたり、足りない分は家庭菜園で作るようにした。
すべてを安心なものにすることはできない。
少しでも、気持ちの悪さを感じる食べ物の割合を減らす。それしか思いつかなかったし、今のところはそれしかなかった。
ベーカリーの焼き立てパンとの距離
ベーカリーで売られている焼き立ての菓子パンは、もともと好きだった。
店ごとの個性が出ていて、選ぶのも楽しい。
しかし、店に行くこと自体を控えるようになり、ほとんど食べることができなかった。
焼き立てパンを加熱して食べるという判断
たまに親戚が土産として持ってきてくれたときだけ、焼き立てパンを食べた。
その場合でも、必ずオーブンで加熱してから食べるようにした。
加熱すれば安全になるのかどうかは、正直よくわからない。
よくわからないが、やらないよりはいいだろうと思った。
簡単にできることなら、やれるだけやっておいた方がいい。
「あれをやっておけば良かった」と後から思うことは、睡眠の質にも影響するし、結果的に体力を落とすことになる。
それは避けたかった。
食パンの食べ方を見直す
食パンは、比較的よく食べた。
仕方なく出かけた帰り道、どこの店にも置いてあったからだ。
ただ、自分の手で掴んで食べることすら、なるべく避けたいと思うようになっていた。
そこで、フォークで食パンを刺し、指で触らないようにトースターに入れて焼いた。
焼けたら、皿の上でフォークで押さえながらバターを塗る。
最初はやりづらかったが、だんだん慣れた。
しばらく続けたある日、ふと自分の中で声が聞こえた気がした。
「食パンは、トーストしなくても食べられるんだよ。」
皿の上の食パンを、焼かずにフォークで刺して食べればいい。
バターを塗るから面倒になるのだ。
なぜ、こんな単純なことに気づかなかったのかと思った。
トーストせず、何も塗らなくても満足感を味わえるパンもある。
ただ、そういうパンは味が良い分、すぐに食べきってしまう。
いつでも手に入るわけではない。
それで、どこにでもある食パンを、生野菜と一緒に皿に入れることになった。
チーズを散らし、岩塩とオリーブオイルをかける。
本当は生のトマトを入れるのが好みだが、畑であまり収穫できなかった。
少し採れたミニトマトを入れられるときだけ、少し満足した。
作るときには、食材にベタベタと触らないように気を付けた。
サンドウィッチなどにはしない。
自分で食べるのだから、盛り付け方は気にしない。
一つの皿の上に全部載せただけだ。
それでも、思っていた以上に充実感があった。
食べるときにはフォークを使うので、手で触ることもない。
なぜ、こんな簡単な食べ方に、今まで気づかなかったのか。
同じようなことを、以前からやっていた人はきっといるのだと思う。
ただ、自分がそれに気づいたのは、危機的な状況だったからだ。
人は、追い込まれて初めて、無駄を削ぎ落とす発想をするのかもしれない。
人間全体の話にするのは大げさだろうが、少なくとも自分は、そういう人間だったらしい。
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